五郎丸 帰れない
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ラグビーＷ杯イングランド大会の１次リーグで敗退した日本代表が１３日、羽田空港着の日航機で帰国した。空港には約５００人のファンが殺到し、歴史的な番狂わせとなった南アフリカ戦を含めて史上初の３勝を挙げた選手らをねぎらった。今大会の活躍で日本ラグビーを象徴する存在となったＦＢ五郎丸歩（２９＝ヤマハ発動機）は都内で行われた帰国会見で、１９年Ｗ杯日本大会で今大会を上回る結果を残すためにも、ラグビー人気継続への思いを訴えた。
日本のヒーローとなった男たちが帰国したのは、もはやラグビーマイナー国ではなかった。９月１日の渡英直前、出発ゲート前でほとんどが報道陣や空港関係者による１００人に見送られた選手らの目にこの日飛び込んできたのは、規制線からあふれんばかりのファンだった。歓声が飛び、派手なボードが視界に入る。自分たちが、この国のラグビーの位置付けを変えた。３１人の選手、スタッフは誇るように胸を張り、約４０メートルの花道を歩いた。
クールな五郎丸はそんな状況に「（宿舎の）チームルームでテレビがあって、日本の様子を見られたので、何となくこうなると思ってました。ビックリはしてないですね」とかわした。大会前には予想できなかったのでは、という質問にも「（試合に）集中していたので（考えてない）」とサラリ。この雰囲気を楽しむ余裕すら漂わせた。
ただ、危機感は持っている。「３勝したからといって、１９年は８強にいけると思う考えは甘い」と警鐘を鳴らしているように、世界も日本代表への警戒感を高める中で、同じ結果を残すのは困難を極める。自身の今後の代表入りには「ゆっくり考えたい」と態度を保留しているが、それでも人気継続のためには自ら進んで前に出るつもりだ。
「２０１９年に向けて国内人気を盛り上げるのが最大の任務」
フィーバーを一過性のものにせず、地元開催となる次回Ｗ杯につなげてこそ今回の躍進が、より大きな意味を持つ。「パフォーマンスを落としてはいけない。そこは見極める」とあくまでラグビー優先だが、ベースを置く静岡に帰る時期は「いつになりますかね。広報に聞いてください」という。殺到する取材には可能な限り応じる構え。この日の夜も早速、リーチ主将らとＮＨＫの「ニュースウオッチ９」に生出演するなど休む暇もなかった。
１１月１３日に開幕する今季のトップリーグ。１４日のトヨタ自動車戦（パロ瑞穂ラ）が初戦となるヤマハ発動機だが、すでにインターネットでのチケット販売は予定枚数が終了になるほどの人気ぶりだという。「選手として実力を１００％表現していく。国内リーグも始まるので応援よろしくお願いします」とグラウンドでの魅力向上に努めることを誓った五郎丸。４年間のゴールを迎えた日本ラグビー界が、４年後へとスタートする。 （阿部 令）
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